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これで安心!結婚式の受付係が知っておきたいマナー

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結婚を控えたご新郎ご新婦と仲が良い人の場合、結婚式の受付係を頼まれることも珍しくありません。招待されたゲストの皆様と直接顔を合わせる受付係は「結婚式の顔」であり、ご新郎ご新婦から依頼されるのはとても名誉なことです。ただ、受付係を引き受けたものの、何をやるべきなのか、ほかのゲストとは違うマナーがあるのかなど不安になる人も多いでしょう。そこで、今回は受付係が行う仕事をはじめ、気を付けるべきマナーについて紹介していきます。

 

結婚式の受付係って具体的に何をするの?


「受付係なんて簡単」と思う人がいるかもしれませんが、受付係は結婚式の顔といっても過言ではなく、自分の言動ひとつでゲストの皆様に不快な思いを与えてしまうおそれもあるのです。
ご新郎ご新婦の顔に泥を塗り、大切な結婚式を台無しにしてしまわないよう、受付係の仕事内容をしっかり理解しておかなければなりません。一般的な結婚式の場合、主な仕事は5つほどあるので、それぞれどんな仕事をすれば良いのか見ていきましょう。
1つ目の仕事は、「ゲストの皆様を迎えて挨拶する」ということです。受付係もゲストの一人であることに違いはないのですが、受付を担当している以上、ほかのゲストの皆様からは両家の関係者と見なされます。
ほかのゲストの皆様が受付をする際、「このたびはおめでとうございます」などお祝いの言葉をかけられることも多いので、関係者としてきちんと「ありがとうございます」などと挨拶しましょう。
但し、ゲストの皆様を迎えるとはいっても、店舗などではないので「いらっしゃいませ」と声をかけるのは良くありません。お辞儀など、その場にふさわしい言動で迎えるように心がけましょう。
2つ目は、ゲストの皆様に「芳名帳への記帳を促す」という仕事です。結婚式のスタイルにかかわらず、出席するゲストの皆様には、お名前を芳名帳と呼ばれるリストに記載してもらうのが一般的です。
芳名帳は、結婚式後にご新郎ご新婦が出席者の確認をするために必ず必要になるものなので、決して記帳をお願いし忘れることのないよう注意しましょう。
3つ目に、「ご祝儀の受け取りと管理」という重要な仕事もあります。ご祝儀は、ゲストの皆様がご新郎ご新婦への祝福の気持ちを込めた大切なお金です。招待された人数によっては数百万円にもなるため、くれぐれも慎重かつ責任をもって管理しなければなりません。
一般的には、すべてのご祝儀を受け取った後、ご新郎ご新婦が指定した人物へお渡しすることになります。たった1つのご祝儀が紛失しただけでも大変なことになるので、ゲストの皆様から受け取ったご祝儀は受付係全員で確実に管理する必要があります。
4つ目の仕事は、ゲストの皆様に「席次表を配布する」ことです。結婚式ではテーブルごとにゲストの皆様が座る席が決められていますが、自分がどの席になるかは当日までわかりません。
そこで、受付の際に一人ひとりに席次表をお渡しし、各自が確認することになります。ご祝儀を受け取り、芳名帳への記帳が済んだのを確認したら、受付に用意してある席次表を忘れずにお渡ししましょう。
ゲストの数が少ないなど、結婚式によっては席次表が作られておらず、テーブルの上に名札が置かれているケースもあります。このような場合は、事前にご新郎ご新婦と打ち合わせを行い、どのゲストがどのテーブルなのか大まかに頭に入れておくと良いでしょう。
受付でサッと席を案内できれば、ゲストの皆様に不快な思いをさせずに済みます。
5つ目は、「会場の席や控室を案内する」という仕事です。受付が終わると、ゲストの皆様は披露宴会場の自分の席へと座ります。披露宴会場が開いていれば「お席へどうぞ」などと勧め、まだ開いていなければゲストの皆様用の控室を案内しましょう。
迷っているゲストがいれば、直接控室まで誘導することもあります。受付係の人数が限られている場合、結婚式場のスタッフなどにお願いして案内してもらうと良いでしょう。ゲストは次々に受付に来るので、間違っても受付を空っぽにして案内に熱中してはいけません。

 

受付係は両家の顔!女性で気を付けたい服装マナー


受付係の仕事を完璧にこなしたとしても、服装がきちんとしていなければ意味がありません。正式なお祝いの場である結婚式では、その場にふさわしい装いが求められます。
マナー違反の服装をしていれば、ゲストの皆様から「常識のない人だ」と見られるだけでなく、受付係を頼んだご新郎ご新婦にまで迷惑をかけてしまうでしょう。
受付係は結婚式の顔であるという点、そしてゲストの皆様を最初に出迎える仕事である点を意識し、清潔感のある服装を選ぶことが大切です。
女性の場合、清潔感のある上品なデザインと色合いをしたドレスを選びましょう。あまりに派手な色は避けるのが基本ですが、かといってベージュなど地味な色のドレスだと華がありません。
ゲストの皆様が最初に目にする受付係は結婚式の印象を左右することも珍しくなく、地味すぎるドレスだと暗い印象を持たれてしまう可能性もあります。難しいですが、派手すぎず地味すぎない洗練されたドレスを選ぶのがおすすめです。
また、女性の場合は胸元やスカート丈にも注意しなければなりません。受付では、ゲストが来るたびに何度もお辞儀をします。胸元が大きく開いているドレスだと、お辞儀するたびに下着や胸がチラッと見えてしまうかもしれません。
結婚式の品位を下げてしまう可能性もありますし、何より自分が恥ずかしい思いをするので、胸元はできるだけタイトなドレスにしたほうが安心です。丈が短すぎるスカートも同様に、お辞儀の際に下着がチラチラしたり、目のやり場に困ったりするので避けたほうが良いでしょう。
さらに、ヘアセットにも工夫が必要です。お辞儀をするたびにバサッと髪の毛が落ちてくるようなヘアスタイルは見た目にも良くないだけでなく、その都度ヘアスタイルを整えなければならないので手間がかかります。
バサッと崩れないようにヘアスプレーで固めておいたり、ピンで留めたりして、邪魔にならないようにしておきましょう。
最後に、ゲストからご祝儀を受け取ったり芳名帳を勧めたりする手元のケアも忘れてはいけません。指や手に視線が集まることも多いので、華美すぎず清潔感のあるネイルやハンドケアを心がけましょう。
ご祝儀の数を数えるなど作業をする場合もあるので、スムーズに指を使えない大きめのデコレーションや付け爪も避けたほうが無難です。

 

男性の受付係が服装で気を付けたいポイント


結婚式の受付係というと女性のイメージが強いかもしれませんが、男性が受付係をすることも珍しくありません。女性のケースと同様に、男性も受付係をする以上は「結婚式の顔」として清潔感のある服装を意識することが大切です。
男性の場合、バリエーションが豊富な女性のドレスとは違って、スーツを着用するのが一般的です。正式な服装としては礼服になりますが、礼服を着るのは基本的に親族なので、受付係まで礼服を着る必要はありません。
スーツでも構わないので、しっかりシワを伸ばしたきれいなシルエットのものを準備しましょう。シワが残っていると、それだけでだらしない印象を与えてしまいます。
カラーに迷った場合は、基本的に黒やダークネイビーなど暗めのものを選んでおけば間違いはないでしょう。
「結婚式なので明るいカラーのスーツを」と思うかもしれませんが、受付係はあくまでも関係者という立場です。それをわきまえ、ご新郎ご新婦の品位を落とさない落ち着きのあるスーツを選びましょう。
但し、レストランウェディングなどカジュアル感が強い結婚式の場合、ダーク系のスーツでは雰囲気にそぐわないこともあります。この場合は、グレーなど少し明るいカラーや、チェックなどデザイン性のあるスーツを選んでも構いません。
スーツの下に着るシャツのカラーは、白がベストです。白はどんなカラーのスーツにも合いますし、マナーとしてもまったく問題ないので受付係には最適です。
カラーシャツだとカジュアル感が強くなってしまうため、避けたほうが良いでしょう。もちろん、カジュアルな結婚式であれば淡いカラーシャツ程度であれば問題ありません。
ネクタイに関しては無地の白やシルバーが一般的ですが、派手過ぎない華やかなカラーであればマナー違反にはならないので安心してください。
また、意外と見落としやすい靴下にも注意が必要です。ネクタイやシャツと合わせて白い靴下を履いてしまう人もいますが、マナーとしては良くありません。
結婚式に出席する男性の靴下は、「黒のミドル丈」一択です。白い靴下はもちろん、カラーや柄もの、ショート丈なども結婚式にはふさわしくないので避けましょう。
ちなみに、これまで紹介した男性の服装だと地味な印象になりやすいため、ポケットチーフで華やかさを演出するのがおすすめです。
結婚式ではスーツの胸ポケットにハンカチのような布を入れ、装飾品として利用します。光沢のあるものや華やかなカラーのものなどさまざまな種類があるので、シャツのカラーと合わせながらふさわしいポケットチーフを選びましょう。
但し、ポケットチーフはたたみ方一つで印象が大きく変わるため、あくまでも清潔感を損なわないように仕上げることがポイントです。

当日受付係が心がけるべきことについて


受付係はゲストの皆様を迎える立場であるため、結婚式が始まる時刻に合わせてのんびりやって来るのでは間に合いません。
受付が始まる前に式場のスタッフなどと打ち合わせを行うことも多いため、何時までに来ておけば良いか、受付開始は何時にするかなどをご新郎ご新婦に確認しておきましょう。
当日は渋滞や交通機関の乱れなどでスムーズに式場にたどり着かない可能性もあるため、時間に十分な余裕をもって行動することが大切です。
式場に到着したら、まずはご新郎ご新婦の親族控室へ挨拶に行きましょう。お祝いの言葉とともに、受付を担当する旨を伝えたり、ご祝儀をお渡しする相手と打ち合わせをしたりします。
その後、式場のスタッフとも打ち合わせを行い、受付場所やご祝儀の管理方法、ゲストの荷物を預かる場所などさまざまな内容を確認しておきます。このとき、同時にトイレやクローク、控室や喫煙室など式場内の設備についてもある程度頭に入れておきましょう。
受付係はゲストの皆様からさまざまな要望を伝えられたり、質問されたりすることも少なくありません。いざというときにスムーズに案内できるよう、事前に重要な設備の場所を把握しておくことが大切です。
また、受付係は持ち場を簡単に離れてはいけません。もし受付係が自分一人しかいない場合、持ち場を離れればゲストの皆様は受付ができなくなってしまいます。
ほかに受付係がいたとしても、自分が抜けた分ほかのメンバーに負担がかかって現場が混乱してしまうおそれもあります。トイレなどでやむなく受付を離れるときは、必ずほかの人に受付に待機してもらいましょう。
最後に、当日の仕事としてもっとも心がけたいのは「笑顔を絶やさず仕事に集中する」ということです。受付係は結婚式の顔であり、ゲストの皆様に結婚式の雰囲気を印象付ける重要な役どころでもあります。
結婚式に出かけて最初に目にした関係者が、ペチャクチャとおしゃべりしたり不機嫌そうな顔をしたりしていると、ゲストの皆様は残念な気持ちになってしまうでしょう。
自分を信頼して受付係を任せてくれたご新郎ご新婦のためにも、ゲストの皆様に好印象を与えられるよう、私語を謹んで笑顔を絶やさないことが大切です。

 

両家の顔として新郎新婦の期待に応えよう


受付係は、ただ単にご祝儀を受け取るだけの仕事ではありません。ご新郎ご新婦の親族やゲストの皆様に挨拶することに始まり、芳名帳に記帳してもらったり式場へ案内したり、責任をもってご祝儀を管理したりとさまざまな仕事があるのです。
ゲストの一人でありながら関係者としての仕事もしなければならないため、ほかのゲストと比べて服装のマナーもしっかりと守らなければなりません。大変な役目ではありますが、その分無事にやり遂げたときの達成感、満足感は相当なものです。
自分を選んで大切な仕事を任せてくれたご新郎ご新婦との絆も、より一層強まるでしょう。
満足いく結果を残すために、事前・当日の入念な準備が欠かせません。式場のスタッフともしっかりと打ち合わせを行い、責任感と笑顔を大切にしながらご新郎ご新婦の期待に応えられるよう頑張りましょう。