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余興は何にする?新郎新婦とゲストが気を付けたいこと

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結婚式の余興は、式全体の雰囲気を左右する重要なものです。盛りあげたくて、スケジュールに入れることを検討しているご新郎ご新婦も多いでしょう。しかし、内容をどうすべきか迷ってしまうケースも見受けられます。ゲストに依頼する場合は、さらに慎重に検討しなければなりません。依頼するおふたりと依頼を受けるゲストの両側に、いろいろな注意が必要となります。今回は余興について説明し、気を付けるべきポイントを詳しく解説します。

 

余興とは何?どんなものがある?


結婚式は、ご新郎ご新婦の夫婦としての門出を祝福するために開催されます。つまり、おふたりが主役であるのは間違いありません。だからといって、ただ祝ってもらおうとするスタンスで臨むのは考え物です。
祝福ムードを大きくするには、淡々と進めるのではなく、ゲストを盛りあげる必要があります。スケジュールの組み方によっては、ゲストに飽きられて退屈な雰囲気が漂ってしまうので要注意です。
最後まで温かい気持ちで楽しんでもらいたいなら、そうするための工夫をしなければなりません。そこで重要になるのが余興と呼ばれる出し物です。
余興を実施するとアクセントになり、結婚式を間延びさせなくて済みます。何組かスケジュールに組み込んでおくと、2時間を超えるような結婚式も楽しみやすくなるでしょう。
余興はご新郎ご新婦が行う場合もありますし、ゲストが担当する場合もあります。前者は、おふたりによるゲストに対するもてなしという意味合いが強いです。わざわざ足を運んでくれたゲストの皆様に対して、自分たちの創意工夫によって楽しんでもらいたいという気遣いの表れともいえます。
とはいえ、結婚式の主役として忙しいケースが多く、なかなか余興にまで手が回らないこともあるでしょう。性格的な問題などで、自分たちで演出するのは難しいと感じる人もいます。また、ゲストに適任者がおり、ぜひ頼みたいと希望するケースもあるでしょう。
他にもいろいろな理由が考えられますが、自たちではなく、ゲストに余興を行ってもらうことも多くあります。いずれの場合もポイントになるのは、ゲスト全員が盛りあがる内容にすることです。
一般的なイベントはある程度ターゲットとなる年齢層が決まっています。イベントのテーマによっては、趣味趣向に関しても似た人が集まりやすいです。それに対して結婚式は、さまざまな世代の人を招待することも珍しくありません。
そのため、やみくもに余興の内容を選んでしまうと、一部の人しか楽しめなくなってしまいます。特に、同世代や親世代などゲストの世代が幅広いのであれば、共通して楽しめる内容を慎重に考えなければなりません。
スピーチや映像演出など、結婚式で行われる余興の種類は多岐にわたります。盛りあげるのが目的なので、ダンスや歌、寸劇といったパフォーマンス性の高いものが行われることも少なくありません。
さらに、同じ種類でも具体的なバリエーションはとても豊富です。たとえば、スピーチ一つをとっても、話す人と対象となる人の関係性によって中身はまったく異なります。
ご新婦から親御様に向けて感謝の言葉を述べたり、仲の良い友人がご新郎ご新婦の逸話を紹介したりするなど、いろいろなケースがあります。
余興の種類に決まりがあるわけではありませんが、どのような出し物が一般的なのか知っておくと参考になるでしょう。

 

新郎新婦が気を付けたいポイント


ゲストに余興を依頼するのであれば、多くのことに注意しなければなりません。重要なのは、依頼されたゲストが困らないようにすることです。それと同時に、結婚式の演出としてふさわしい内容にしてもらう必要もあります。
そのためには、「結婚式全体のイメージ」「どの場面で行うのか」という点を伝えることが重要です。たとえば、笑顔が絶えない雰囲気で進めたいのに、序盤で涙を誘うようなスピーチをしてもらうのは適切とはいえません。
もちろん、感動的なスピーチも祝福ムードにつながりますが、どのような雰囲気の結婚式なのか考慮したうえで、適切な場面に盛り込んでこそ効果が高くなります。
また、「持ち時間」「どのような余興が良いのか」という点を伝えることも忘れてはいけません。
ただ依頼されただけだと、引き受けるゲストはいろいろと迷うことになってしまいます。ご新郎ご新婦を喜ばせたいという気持ち、たくさんのゲストの前で披露する責任感などが入り混じり、何をすべきかわからない状態になりかねません。
したがって、余興を考えるための指針として、持ち時間や希望の内容を伝えることはとても大切です。自分たちの希望を押し付けるのは失礼に当たるのではないかと心配になる人もいるでしょう。
しかし、引き受けるゲストとしては、おふたりを満足させたいので、しっかりと伝えてもらったほうが考えやすくなります。
また、依頼を済ませたあとは、こまめに連絡を取らなければなりません。ところが、こちらに関しても、余計な口出しをするのは失礼と考えてしまう人が見受けられます。
また、サプライズとして披露してもらったほうが嬉しいと思い、あえて連絡しないようにする人もいます。依頼主として、どちらも正しい選択ではないので気を付けましょう。
余興の準備が挙式日に間に合わないと大問題になります。直前になって判明すると、スケジュールの大幅な見直しが必要になる可能性が高くなります。そのため、準備の進捗に関しては詳しく把握しておくことが欠かせません。
ゲストがどのような余興を計画しているのかチェックすることも大事です。他の余興と内容が被っていないか確認する必要があるからです。ゲストの顔ぶれを考えて、不快に感じる人がいない内容であることも確かめなければなりません。
内容に対して会場の広さや設備が十分であることも要チェックです。さらに、もし余興について悩んでいることがあれば、一緒に考えてあげるのもご新郎ご新婦の役割といえます。以上のような理由により、頻繁にコミュニケーションを取るのが望ましいです。
余興を行ってもらったらお礼を贈りましょう。おふたりのために貴重な時間を割いて取り組んでくれたことに対し、しっかりと感謝の気持ちを伝える必要があります。
遠慮してお礼を辞退しようとするゲストもいますが、結婚式に協力してくれたことに対してお礼を用意しておくことは大事なマナーです。

 

余興を依頼されたゲストはここを意識しよう


ご新郎ご新婦は余興を依頼する側ですが、依頼されたゲストが気を付けるべきポイントも知っておくと、相談の際などに役に立つでしょう。
まず、引き受けたら内容を早めに決定することが大切です。結婚式の準備はタイトなスケジュールで行われることが多く、迅速に決めなければならない項目が山のようにあります。
そのような状況において、ゲストが内容をなかなか決定しないと、他の項目に影響が出てしまう場合もあるのです。
たとえば、余興にピアノなどの大型の道具を使うのであれば、会場側に準備してもらうリストに加える必要があります。つまり、ゲストが余興の内容を伝えるまではリストを完成させられません。
それ以外にも、内容によっては他の余興と順番を入れ替えたほうが良いなど、スケジュールの変更が必要になるケースもあります。したがって、内容の詳細が決まらない場合は、せめて大枠だけでも伝えるように心がけることが重要です。
内容を伝えて準備を始めたら、進捗状況をこまめに知らせることもポイントになります。ご新郎ご新婦が忙しそうに準備しているのを知っていると、あまり多く連絡しすぎるのは気が引けるという場合もあるでしょう。
しかし、進捗を把握しておくのは主催者にとって大切なことです。ゲストはそれを考慮して、こまめに自分から報告するスタンスでいるのが好ましいです。そうすれば、ご新郎ご新婦は、わざわざ進捗を尋ねる手間や気遣いが不要になるので助かります。
余興の準備に関して困っている点があるなら、素直に相談することも重要です。迷惑をかけたくないと考えて、自分だけで何とかしようとするのは良くありません。一人で抱え込んだまま、最終的に解決できなければ、それこそ大迷惑をかけてしまう恐れがあります。
そのような事態を避けるため、できるだけ早い段階で相談したほうが良いでしょう。挙式日まで猶予があれば、ご新郎ご新婦としても打開策を検討しやすくなります。
また、内容を決めるときに内輪ネタを選ばないように注意しなければなりません。たとえば、ご新郎のクラスメイトだったからといって、同級生だけが笑えるようなネタを披露するのは不適切です。
一部のゲストしか盛りあがらず、会場に温度差が生じてしらけた状況になりかねません。結婚式の雰囲気を大幅に変えてしまうようなネタも控えましょう。
たとえば、それまでの進行により、厳粛な雰囲気を作りあげてきたのに、余興によって台無しになるケースも見受けられます。
若者に受けの良い軽快なダンスや奇抜な仮装をしたりすると、厳かなムードは一掃されてしまいます。雰囲気の急な変化によって、戸惑いや不快感を覚えるゲストもいるかもしれません。
さらに、持ち時間を守ることを意識する必要があります。持ち時間より長すぎても短すぎても、会場側は急きょスケジュールを調整しなければなりません。
余興がまだ終わっていなくても、時間制限で強制的に終了せざるを得ない場合もあります。そうなると、結婚式の印象を損ねるような空気が流れることもあるでしょう。必ず持ち時間を守れるようにするため、予行練習を積み重ねておくことが重要です。

 

余興は誰がやる?先輩たちの実施調査


実際に、どのように余興が行われているのかもチェックしておきましょう。2016年に首都圏のトレンド調査として、映像を使った余興や演出の実施状況が調べられました。
誰が行ったのかという調査では、ご新郎ご新婦は72.1%という結果になっており、自分たちで実施するケースが多いとわかりました。友人や知人、親族が行ったのは32.2%という結果になっています。
このパーセンテージから、ご新郎ご新婦とゲストの両方が実施したケースがあることもうかがえます。一方、余興自体を行わなかったと答えた人は16.6%でした。
実施のタイミングで最も多かったのは、エンディングで75.4%です。素敵な音楽に合わせてエンドロールを上映して結婚式を締めくくるのは人気のパターンになっています。
次いで多かったのは69.5%で、中座やお色直しの間に実施したケースです。映像の内容としては、ご新郎ご新婦のプロフィールや生い立ちなどの紹介が、92.0%と圧倒的に多数を占めています。主役にスポットライトが当てられる比率が高いのは自然といえるでしょう。
2番目に多い内容は、ゲストの名前や感謝のメッセージで59.0%でした。こちらも、ゲストに対する気遣いが重視されることを念頭に置くと、比率が高くなるのは不自然なことではありません。
なお、映像を使った余興や演出を行う場合の検討期間の目安は1.6カ月という結果です。具体的には、結婚式の5.1カ月前に検討を開始して、3.6カ月前に決定して申し込むというスケジュールになっています。
このトレンド調査で実施されたアンケートは、映像を使った余興に限定されたものです。しかし、その結果は、別の余興のトレンドに関して感触をつかむ参考にもなります。
なぜなら、映像を使った余興は、さまざまな結婚式で先輩のご新郎ご新婦によって広く行われているからです。つまり、定番ともいえる出し物なので、余興全般に共通していえることが多いと考えられます。
たとえば、上記の検討期間の話から、余興を考えるときは、余裕を持ってスケジューリングすることが大切だとわかります。

 

新郎新婦とゲストが協力して華を添えよう


人によって興味のあることや好きな雰囲気などは異なります。そのため、結婚式でゲスト全員が楽しめる余興を行うのは簡単ではありません。アイデアが出ない日が続くこともあるでしょう。
しかし、成功によって得られるメリットを考えると、余興の実施を検討してみる価値は十分にあります。うまくいくと結婚式は大いに盛りあがり、ご新郎ご新婦はより盛大な祝福を受けることになります。
それを実現するには、余興とはどういうものなのか正しく理解しておかなければなりません。
また、ゲストに担当してもらうなら、依頼する際の注意点や相手の立場に立つことも重要です。主役だからといって、自分本意にならないように気を付ける必要があります。
おふたりとゲストが協力しあって作っていくことを心がけてください。そうすれば、結婚式に素晴らしい華を添えられるでしょう。